スマイル 〜約束した君へ〜
部活の間もオレは気が気じゃなかった。
アイツがセンパイに話しかける度に、心臓が飛び跳ねる。

言う訳ねぇ…と思いながらも、信用できねぇものを感じる。


(こんな事なら…キチンと面倒見てやっとけば良かった…)


今更な事を思う。そんな気持ち、最初からまるでなかったくせに。


「ハルナちゃん…!」


ダイゴは相変わらずアイツの面倒を見てる。
ダイゴとまりん、背の高い二人に囲まれるアイツを見てると、なんだか家族みたいに見える。


(…ニィちゃん、ネェちゃんの妹…って言うより、パパ、ママの子供…って感じ⁉︎ )


想像しながら笑う。
センパイはどう見てるだろう…と視線を送った。


「んっ…⁉︎ 」


珍しく笑ってねぇ。しかも、スゴい顔固まってる。


(何でだ?)


視線の先に眼をやる。
さっきのオレと同じ。3人を見てる。
すっげぇコワイ顔で、睨みつけてるって感じ。


(あっ…顔が変わった!)


固く結んでた口が開く。ニコッと笑いかけてる。


(誰にだ…⁉︎)


視線の先を確かめる。


ドキッ!



(………ダイゴ?)


センパイに近づいたダイゴが喋る。
二人が並ぶとバランスがいい。
キラキラした顔で話してる。
それから、ダイゴの方もーーーー


(まさか…)


イヤな予感。
この間、ダイゴに感じた時と同じ。
でも、今は…むしろ実感に近い感じ……
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