スマイル 〜約束した君へ〜
「ママかー!可愛いー!」


またしてもセンパイが抱きついてる。


「こんな可愛い子が娘だったら、私、ドンドン服買っちゃいそう…!」


センパイの娘なら、可愛いよりキレイだろ…って気がする。
そう思ってるのは、もちろんオレだけじゃなくて…


「穂波センパイの子供なら、美人間違いナシだよ!」


ダイゴの言葉。
一瞬、センパイの顔が赤くなる。


「や…やだっ、ダイゴ君!お世辞言いすぎ!」


背中バシバシ叩いてる。
叩かれてるダイゴの方も、まんざらじゃねぇ感じ。


「…コイツの母親…オレ見たことある…」


その場の雰囲気を崩したくなって呟いた。
ギクッとした顔が振り返る。


「入学式の時、くるんくるんに髪巻いてた。ぱっと見、お水みたいだった」


言わなくてもいいコト言った。
「きのした はるな」は俯いて、反論もしてこねぇ。


「へぇー…そんなハデな人いた⁉︎ 」


まりんがダイゴに聞いてる。


「全然。親なんか見てもねぇ。…ソウヤ、お前よく見てたな!」


またしても墓穴掘った。言わなきゃ良かった…。

「…たまたまだよ!…オレの前、通ってったから!」


ウソはついてねぇ。あくまでも、オレの第一印象だ。


「ハルナのママ、気合入ってたんだね〜!」


まりんが取りなす。俯いてたヤツが顔を上げる。
…そして、ビックリするようなことを喋った。
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