スマイル 〜約束した君へ〜

周りの目が集まる。
まりんがオレの口を押さえる。
近づいてきて、小さな声で言い返した。


「そんな大きな声で言わないで!」


赤い顔してる。
いつものまりんじゃねぇみたいだ。



(……かわいートコ…あるじゃん…)



押さえてる奴の手ぇ握った。
ビクッと震える。


「……責任…取ればいいんだろ…」
「えっ…⁉︎」


「責任……取ってやるよ…」
「なっ…」


「……オレと付き合お。……それでいいだろ⁉︎ 」
「………!」



真っ直ぐ目ぇ見て囁く。
黙ったまま固ってる。
…しばらく待ってても、反論はしてこねぇ。



「…決まりだな!今日からオレと付き合えよ!」


手ぇ握り返した。
頭ん中、真っ白で、何も考えてねぇ。
…センパイやダイゴのことなんかどうでもいい…。

オレはただ、このお節介オンナに、少しだけ癒されてぇ…って思った。




「…まりん……好きだ…」



ウソをつく。

カンタン。

オレは子供の頃にも、平気でウソをついた。

優しいウソならついてもいい…って、教わった。

相手のためになるならついていいんだ…って教えてくれた。



(…そうだよな⁉︎……ニィちゃん…)




完全に皮肉。
オレの心が歪んでるだけ。

…でも、今はいいんだ。

ウソにウソを重ねて、傷が癒えさえすればいいんだ。


……そうでもしなければ、ただ…やり切れねぇからーーーーー
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