あと一歩の勇気を―君が全てを失ったあの日、僕らは一体何ができただろうか―


「秀ってさバカって言うかアホって言うか素直じゃないよね。あ、ゴメン素直だったわ」
「はぁ!?いきなり何だよっ」


朱からの何の脈絡も無く秀俊の元へと届いた罵声(?)は、秀俊の胸を確実に射ぬいた。痛い、心が痛い。

べっつに~と言いながら少しだけ強めにきゅうっと手を握り直す朱に秀俊は、リクエストに答えるような手つきで指を朱の指に絡ませて恋人繋ぎをする。朱が気恥ずかしそうに頬を染めた。


「秀……」
「ん?」


朱の家へとゆっくりゆっくり進んで行きながら
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