白雪姫な君に
知らない君
大橋遊。
茉莉と同じ月宮高校に通う奴。
茉莉に会いに月宮高校の学園祭に夏希と一緒に行ったときに、偶然仲良くなった奴。
さばさばしていて、活発なこいつは、よく茉莉を引っ張り回して遊んでいるらしい。
「なんで遊ちゃんがここに?」
「たまたまよ、たまたま。」
バイト先でお使い頼まれちゃってと、メモ用紙と財布を見せびらかすようにひらひらする大橋は、それより、と俺を睨み付けた。
「なに茉莉に手出してんのよ!」
「彼女だからいーだろ?」
「人前でいちゃこらしてんじゃないわよ!!」
こちらとらやることなくてバイト支店のに、とぶつくさと文句を言う大橋。
困り顔の茉莉の頭をぽんぽん、と撫でて、ぎ、と大橋を睨み付けた。
「それただの八つ当たりじゃねーか!」
「あら、悪い?」