白雪姫な君に
~中学2年生~
side.H
「見てあの子。」
「やば、真っ白だし、目とかピンクじゃん。」
「染めてんの?しかもカラコン?」
「校則破りすぎっしょ!」
やばくない?と言ってきゃはははと甲高い声でキイキイ叫ぶこれからクラスメートになる女共を横目にみながら、悪口の標的にされているそいつをちら、と見てみる。
白い長い髪に、赤を薄めたようなピンク色の目。
整った顔立ちにセーラー服からすらりと伸びる手足。
小さな体を緊張か、聞こえてくる悪口からか小さく震えていて、なんか、気分が悪くなる。
「花希くんも可哀想だよぉ。」
ふ、と悪口を言っていた女共の集団が俺の前に立っていて、横の席を指差した。
「ねぇ、嫌じゃない?花希くん。」
甘ったるい、とってつけたような、甘ったるさ。
にやにやと意地悪く笑う女共。
「ねぇ、桜庭さん。花希くんも迷惑だって。」
黙っていることを肯定と受け取ったのか、女共は横に小さくなって座っている彼女、桜庭茉莉を嘲笑う。