白雪姫な君に
「この…茉莉ちゃんだっけ?」
じ、とスマホの画面を見ながら、夏希はさらっと聞いてきた。
「先天性白皮症?」
「アルビノじゃねぇの?」
思わず聞くと、夏希はそうとも言う、と言いながら、スマホの画面を勝手に消しやがった。
真っ暗になった画面を見つめながら、先天性白皮症、と呟く。
すると夏希に聞こえていたようで、あぁ、と夏希はまた新しいパックジュースを開けた。
「遺伝子の突然変異で、時々いるらしい。」
親父が言ってた。
ちなみに夏希の親父さんは医者、お袋さんは看護士さんだ。
「…ふぅん。」
「てかさ、月宮高って超頭いいじゃん?しかも超遠距離。」
寂しくないの?お前。
「…寂しいけど、茉莉はしたいことがあるんだよ。それに毎週末には会えるし。」
「ラッキー。俺も会わせてもらおっと。」
「お前に会わせたら茉莉が怖がるから却下な。」
「けーち。」
可愛くないぞ、と言って夏希の頭を叩けば、夏希はいってぇ、と言いながら立ち上がった。
…もうすぐ週末。
茉莉、元気かな。