【超短編】私の隣
入社して三ヶ月くらいたつと、気が合う人達数人で、時間が合うとたまにだが、会社帰
りに飲みに行くようになった。



そのメンバーの中に、彼と私は入っていた。



仕事中には、決して見せることのない顔を、休憩中や飲みに行ったときに始めて見たその表情の、ギャップに私は、ドキッとした。



それは、家族の話をしているときの、心の底から家族を愛しているという顔、趣味のバイクの話をしているときのやんちゃな顔、彼の顔は、今までにないくらいの魅力があった。



仕事以外の時の、優しい目をしている、彼にドキドキした。



周りから見れば、特にお酒の入ったときの、彼はただのおじさんだったが、私は彼の笑顔が好きだった。



飲みにみんなで行きだした頃の席は、私は彼の斜め前が多かったが、時間がたつにつれ、自然に彼の隣になった。



隣に座ろうと思っていなくても、自然にいつも横には彼がいた。
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