死神の花嫁
「割り切れば良い。
我は誰も愛さぬ。
貴様もそれで良い。」
シャロンはヴォルドの冷めた言葉を
ボーッとした頭で聞いていた。
現実を、美化するつもりはないが。
体を重ねるのは愛する人と、と。
思っていたシャロンにとっては
女郎になるも同然の条件。
割り切れと、言われても。
簡単なものではない。
「それとも、この場で殺してやろうか?
貴様の父、母の元へは逝けぬがな。」
ヴォルドの言葉に息を飲んだ。
(どういう事…?)
ジーっと、ヴォルドを見上げるが
ヴォルドは冷めた目で
見下ろしてくるだけ。