死神の花嫁
シャロンの手を掴み上げ、
顎を上げたヴォルドは
静かに開いたシャロンの脅えた瞳を見た。
「我は死神だ。」
「つっーー!!!」
「人間共の生き血を吸い、
命を地に落とす神だ。」
涙が止めどなく溢れる。
シャロンは恐ろしさに体が硬直していた。
「決められないのなら、
我が決めてやろう。」
真紅の瞳。
その恐ろしさに
シャロンの意識は遠退いていく。
「拒否権などない。
貴様は我のモノだ。」
薄れ行く意識の中、最後に聞こえたのは
そんなヴォルドの声だった。