死神の花嫁
城
「ヴォルド様っ!その娘は?」
ヴォルドが連れ帰った娘に
側近のラジルが目を見開きながら尋ねた。
ドカリとソファへ座ったヴォルドは
シャロンを抱いたまま。
「ヴォルド様、まさかその娘……」
「嗚呼、我がモノになった。
丁重に扱え。」
「っ!?
何を考えておいでですか!
死ぬはずだった者を生かすなどと、」
「魂の帳尻は合わせておいた。」
「余分な魂が
2つ来たのはそのせいですね?」
はぁーと、ため息を吐くラジル。
「ま、良いじゃないか。
愚かな人間の魂2つくらい。」
笑いながら言うのは、
ヴォルドの向かいに座るリダル。
ヴォルドの従弟であり、片腕の彼は
ワインを口に含み、ジロジロと
眠るシャロンを見定める。