死神の花嫁
「美しい娘だな?」
ヴォルドにリダルは静かに言う。
リダルの言う通り、シャロンは
見目麗しい娘だ。
長い睫毛、薔薇色の唇。
雪のような白い肌。
「美しいとは言え、
寿命を伸ばすなどと…」
未だ、頭を抱えるラジルに
リダルは苦笑いを浮かべた。
「それで?嫁にでもする気か?」
「…只の暇潰しだ。
要らなくなれば殺せば良い。」
ヴォルドの言葉に呆れた顔をするリダル。
「ラジル、世話係を就けよ。
部屋も適当に使わせれば良い。
この城から出すな。」
ソファーにシャロンを寝させ、
ヴォルドは部屋から出て行った。
「さてさて、初めての展開だねぇ」
「いつ、気が変わられたのやら。
城を出る前は、『仕事をしてくる』と
仰っていたというのに。」
「面白くなりそうだな。」
クククっと、喉鳴らすリダル。
ラジルはまたため息を吐いた。