死神の花嫁
「ん………」
シャロンが目を覚ますと
そこは森の中ではなかった。
大きなベッドに、豪華な調度品。
嗚呼、あれは夢では無かったと
目に涙が溜まる……。
服はナイトドレスに
着替えさせられた様だった。
(私は、どうなってしまうの……?)
恐ろしいヴォルド。
これからの不安に涙が零れた。
(死んでしまいたかった。)
恐怖で死ねなかった自分が情けない。
と、その時。
ドアがガチャリと開いて
そこに現れたのはメイド服を来た
可愛らしい女性だった。
「まぁ!!どうかなさいましたか?」
「……な、んでもないの。」
荒々しく目を擦ると、
彼女がそっとその手を止めた。
「お美しい顔に
傷がついてしまいますわ。
不安なのですね?」
「いえ、ごめんなさい。」
シャロンの顔を覗き込む彼女。
「私、今日からシャロン様の
御世話をさせて頂きます、
ゼロッタと申します。」
シャロンから離れたゼロッタは
深々と頭を下げた。
「さあ、御召し替えをしましょう。
湯殿のご用意は出来ておりますわ。」
せかせかと、連れていかれた湯殿。
一面に薔薇の花びらが浮かび、
本当に美しかった。