死神の花嫁
手伝うというロゼッタを制し、
一人で体を洗う……。
そこでシャロンは目を見開いた。
足の傷が見当たらない。
足の裏も綺麗に治っている。
「な、……」
声にならない声。
だが、不思議な事が
起きても可笑しくない。
存在しているはずがない死神が
存在していたのだから。
そっとお湯に浸かり、
フーッと、ため息を吐く。
(しっかり、しなくては)
湯殿を出ると、
ロゼッタはバタバタと動き始めた。
「お綺麗ですわ。」
鏡の前に写るのは
赤のドレスに身を包んだシャロン。
髪は結われ、ハーフアップに。
化粧も施され、血色が良い顔になった。