死神の花嫁
「それでは、お食事を」
「要らないわ。」
「お体に障ります!」
「食欲がないの」
俯くシャロンをロゼッタは
不安そうに見つめた。
「それでは、お腹が少しでもすくように
庭へ行きませんか?」
「庭へ?」
「はいっ!綺麗な薔薇園もありますし、
小川も流れておりますわ。」
提案をしてくれたロゼッタ。
断るなんて出来ず、庭に向かうと
シャロンは一気に顔を緩ませた。
「なんて美しいの」
思わず笑顔になる顔。
「ロゼッタ、ありがとう」
初めて見たシャロンの笑顔に驚きながらも
ロゼッタも微笑み返す。
(良かった。笑って下さったわ。)
駆け出して小川に触れる。
冷たい水が心地良い…。