死神の花嫁



「それでは、お食事を」

「要らないわ。」

「お体に障ります!」

「食欲がないの」



俯くシャロンをロゼッタは
不安そうに見つめた。



「それでは、お腹が少しでもすくように
庭へ行きませんか?」

「庭へ?」

「はいっ!綺麗な薔薇園もありますし、
小川も流れておりますわ。」



提案をしてくれたロゼッタ。
断るなんて出来ず、庭に向かうと
シャロンは一気に顔を緩ませた。



「なんて美しいの」



思わず笑顔になる顔。



「ロゼッタ、ありがとう」


初めて見たシャロンの笑顔に驚きながらも
ロゼッタも微笑み返す。





(良かった。笑って下さったわ。)





駆け出して小川に触れる。
冷たい水が心地良い…。




< 18 / 46 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop