死神の花嫁
首に顔を埋めていく男。
もう、覚悟するしかない。
首筋を這う男の舌、
シャロンは死んでしまいたかった。
踊り子であるシャロン。
元々貴族であったシャロンは
父の企業失敗、借金、貴族剥奪によって
踊り子になるのを余儀なくされた。
立ち振舞い、作法を心得たシャロンは
踊り子の中でもすぐ有名になった。
No.1の踊り子。
見目麗しく、誰からでも愛される彼女は
今日…誘拐されたのだ。
途中逃げだし、ここまで来たものの
結局は捕まってしまった。
(こんな辱しめを受けるくらいなら
死んだ方が、マシよ)
シャロンは口を薄く開き、舌を挟む。
(お父様、お母様……)