死神の花嫁
「っ!貴様、何をしている!!」
近付いて来たヴォルド。
触れられた瞬間倒れ込んだ。
それを受け止めたヴォルド。
目を丸くするクラーク。
「っ!!はな、して!!」
「黙らぬかっ!!!」
低い声。
その声にも反応してしまう体。
シャロンは涙を溢した。
強く握り締め過ぎた。
小刀の折った刃先。
右手からはダラダラ血が流れていた。
「手を開け!」
「い、やぁ、はぁ、」
「開かぬかっ!!」
「はぁ、はぁ…」
シャロンの呼吸は荒くなり
呼吸困難状態だった。
「クラーク!リダルを呼べ!」
「分かった」
駆け出して行ったクラーク。
消えたのを確認した瞬間、
ヴォルドの唇は
シャロンに押し付けられた。
「んっ……ふっ」
ビクビクと体を震わせながら
力が緩んでいく。
口付けしたまま奪い取った刃先を見て
ヴォルドは眉間に皺を寄せた。