死神の花嫁



唇を話すと
少し呼吸が落ち着いたシャロンは
ヴォルドを睨み付けた。


「狙い、通りですか?死神様。」

「つっーー!!!」


小さな震える言葉に
ヴォルドは驚愕した。


「ここまでして理性を保つのか?!
貴様は何を考えている!!!」

「ヴォルドっ!?」


帰って来たクラーク、そしてリダル。
潤んだ瞳のシャロンを見て
嗚呼、と溜め息を吐いた。


「まさか、吸血を?」

「ここまでの中毒性があるとはな。」


目を丸くするクラークと
呆れ顔のリダル。


「もう、抱くしかないだろうな」


そんなリダルの言葉に
シャロンは噛みついた。


「こんな方と肌を
合わせるのは御免です!」

「何?」


静なヴォルドの声。
シャロンの口は塞がらなかった。


「どうせ好きでもない方と
肌を合わせる位なら
ウォルトにお願いしま……」


バリンっと、窓ガラスが割れた。



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