死神の花嫁
(なにが、起きているの…?)
震える体を更に強く抱き締めたシャロンは
なるべく息を潜めた。
「んだとぉ?!」
「…愚かで無能な人間だと、
そう言ったのだ。」
「てめぇ!やる気か?!
獲物を返せ!!」
冷めた声。
二人の男の足が震えているのを
シャロンは見逃さなかった。
「汚らわしい人間め。
少し早く逝くが良い。」
「っ!!この野郎!!」
二人が漆黒の男に向かって行く。
小刀を構えたまま………。
(っ!!)
最悪の状況を覚悟して
シャロンは固く目を閉じた。