死神の花嫁
「お主、名は?」
低い声に体が震える。
シャロンは口を開くが、
音を出す事が出来なかった。
「声も出せぬか」
顔色ひとつ変えない彼。
シャロンの体の震えは治まらない。
シャロンを見下ろす彼は
ゆっくりとシャロンに近付き、跪いた。
シャロンの顎に手を掛け、
顔を近付ける。
「殺されたくなければ、答えよ。」
「つっ!!!」
真紅の瞳にシャロンが映り込む。
「シャロンと、申します。」
やっと、出た声は酷く小さなモノだった。
体の震えは止まらない。