シークレットガール!【完】
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「私は朝霧双葉です。お兄ちゃんの友達ですか?よろしくお願いしますね」
何この子。むっちゃ天使なんですけど。
はるるんに似たたれ目。
スッと綺麗な鼻。
ぷるぷるとした唇。
ふわふわとした髪。
真っ白い、透き通っているような肌。
むっちゃ可愛いんですけど!
はるるんが兄ってだけあって、顔は整ってると予想はしてたけども!
まさか、こんな天使だったなんて。
まったく。こんな妹ちゃんを嫌うはるるんの気が知れないよ。
「あの、お茶がいいですか?紅茶ですか?コーヒーですか?」
「じゃあ、あたし達はお茶で」
「はい、今用意しますね」
そう言い残して、彼女はキッチンに向かう。
「志貴先輩どうしましょ。鼻血が……」
「鼻押さえとけ」
「はい……」
にしても、はるるん。意外と普通な顔してる……。
鼻を押さえながら、観察中。
もうちょっと嫌悪な視線を向けてると思ってた。
意外とはるるんって大人。
「ねぇはるるん、聞いていー?」
「いーよー」
へらり、と彼は軽く笑った。
「バカ?」
「バカじゃないよ」
あらま、即答。相当バカと思われるのが嫌いのようだ。
今、あたし達はリビングにいる。
隣に志貴先輩、机はさんで前にははるるんが座ってる。
一言言わせてほしい。
「箱ティッシュください」
マジで鼻血が止まらん。
「何々ー、何見て興奮してんのー」
あんたの妹だ、と言ったら冷たい目で見られそうなので、ぐっと黙っておいた。
差し出された箱ティッシュから数枚取り漁って、鼻につっこむ。
「ほんと、君ってさー残念な女の子だよね」
「ぶっ殺す」
「ごめーんちょー」
「………………………」