シークレットガール!【完】
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「おっはー。はるるん」
あたしはクンクンと彼の制服の匂いを嗅ぐ。
「女の香水の匂いなし!前よし!右よし!左よし!また右を確認して。右よし!はいパーフェクトッ」
「今日もほんとアホ絶好調だねー美沙ちゃんは」
はるるん救出大作戦から早数週間過ぎた今日この頃。
その時から少し変わったことをお伝えいたそう。
その1。
「はるるん、なんかあたしに対して優しくなったよね」
「そー?」
「うん」
そうなのだ。なんか、少し優しくなったのだ。
はるるんが他の女の子にする紳士的な行動までは行かないけど、少しそれに近づいたのだ。
その2。
「それにさ、なんかボディタッチ激しくなった気がする」
確かに、人肌が恋しくなったら、いつでも来いと言ったけども。
そりゃあもう、すごくてすごくて。
そんなにずっと人肌が恋しいんですか!?って聞きたいほど。
「変態。今尻触ったろ」
「え、ばれちゃたー?」
その3。
はるるんがセクハラをしてくるようになった。
前、裁判所に訴えてやる‼って言ったら、人肌が恋しくなったら美沙ちゃんが代わりになってくれるんでしょ?って言ってきた。
それにしては過剰過ぎではないか、と言ったら、欲求不満なの、と回答になってない答えをくれた。
うん。もう。
めんどくさい。
もう最近は変なところを触られた以外つっこまないようにした。
本当に最近になっては、変なところを触られてもテキトーに言葉を言うだけになって、マジで言わなくなった。
慣れってホント怖い。
その4。
「志貴おはよー」
なんか知らないけど、3人で登校するようになった。
駅で待ち伏せをされていたのだ。
優季と一緒に来なくて良かった、と胸を撫で下ろしたのは懐かしい。
結果。
とっても、はるるんや志貴先輩との距離が近づいた気がする。
良かった良かった。
美沙ちゃん万歳である。