シークレットガール!【完】
「ちょっ、…お前、手……っ」
「大好きだから、いいでしょ」
彼はカッと顔をリンゴカラーを連想させるような赤に染めた。
最近、優季が真っ赤に顔を染めている。
意外と赤面症?
わお、これギャップだよ。
意外な一面。
大切な人の、それを知れただけで幸せな気分である。
無意識に、頬を緩め口角が上がった時。
目的地があるショッピングモールが見え、志貴先輩が惚れてしまうような可愛い格好をしなくては……っ。
あたしの胸に気合いが入った。
最後のイベント。
最後のラブイベント。
最後の屋台。
最後のわたあめ。
最後のたこ焼き。
最後のリンゴ飴。
最後の花火。
最後の…………………。
たくさんの最後の花火大会。
いろんな人の想いや、気持ちを折々交えて。……
大空に華が舞い散る。
一瞬の出来事に心奪われ、隙が見える。
そんなそんな花火大会が始まる。