シークレットガール!【完】
保健室の先生
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──キーンコーンカーンコーン。
数ヵ月ぶりの朝鈴が鳴り響く。
夏休み明け学校登校初日。
今から普通は始業式………と言いたいところだが、この北府高校は違うらしい。
なんと、登校初日から、
夏休み明けテストである。
高校って青春ヒャッホーイメージだったのに…。
現実は甘くないらしい。
北府高校は二学期制を取り入れているらしく、まだ今は前期の途中だから、だと。
夏休み前に終業式あった気がする…そんなつっこみは心の奥に閉まって、今は集中。
だって、今のチャイムで国語のテストが始まったから。
夏休み明け1発目からテスト………。
悲しいことこの上なし。
カリカリカリカリカリ、と教室中にシャーペンの滑る音が走る。
うぅ…っ。
マジでテスト気分じゃない………。
そう思いつつも、解き始めたあたしはやはり優等生である。
そんなことを思ったテスト開始5分後の朝。
夏の終わりが近づいている。
ふわり、窓から入る風に乗る香は、少し秋の匂いが混じっていて。
夏の出口が近いと、秋の入り口が近いと、知らしめる。
その風に頬を撫でられ、自分は何を思っているのか。
それは、胸の奥に閉まって鍵をかけて。
溢れないように蓋を締めた。