シークレットガール!【完】
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「テスト終わっだぁぁぁ………」
べちょりと机に張り付けば、またチャイムが鳴り響く。
マジでなんなの。何この学校。
テストが終わったんだから、もう帰らせろや。
うぅ………っ。泣けてくる。
今からRHLが始まるらしい。
今日の議題は、体育祭と文化祭について。
どうでも良すぎて、困っちゃう。
「体育祭委員です。体育祭は縦割り種目は2つ、1年競技2つ。よって、出場するものは、一人4つです。縦割り種目は、…」
体育祭、ねぇ。…
どーせあたしは欠席するんだし。
関係ないじゃん。
やはく文化祭の話にならないかなぁー。
「倉條」
突然、後ろから名前を呼ばれる。
あたしは窓側の席の一番後ろ。所謂、不良席というやつで。
そんなあたしを後ろから呼べるのは、たった一人である。
「なんでしょうかセンセ」
後ろでRHLを見守る担任。…ではなく、保健室の先生の御幸奏斗先生。
イケメンイケメン、と女子から人気が高い若い教師である。
小声で喋る辺りは、まだ先生として自覚があるらしい。
それ以外は、先生としての自覚はないかと思うけど。
「RHL中に喋るのはどうかと思いますけど」
「ハハッ、よく言いやがるなお前」
この教師。若干不良気味である。
生徒のことをアイツやらこいつやらお前やら呼びやがる上に、あたしはタバコを吸っているヤツの姿を見てしまった。
こんなヤツでも、保健室の先生である。
本当は化学の先生らしいが、今年だけ保健室の先生になりたいと希望したらしい。
なんて急にそんな事を言い始めたかは、不思議だけれど、他の人より話は通じやすそうで結構お気に入りの先生である。