シークレットガール!【完】
ミルクティーとデート
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「……志貴先輩が…い、いない…………」
絶賛カルチャーショック中である。
「俺がいるよー」
「ただのはるるんじゃん」
「何その扱い」
夏休み明けテストの結果も無事帰ってきて少し経った今日この頃。
2回目の志貴先輩がいない事件が発生しています。
「なんで、志貴先輩いないの?」
「補習よーん」
「ほっ補習ッ‼?」
実はバカだったのか‼?バカだったのか志貴先輩‼
補習って結構点数エグくなかったっけ‼?30点だったと思うけど!赤点。
「志貴、英語の時、少し寝ちゃったんだってー。そしたら、あと20分。それに志貴は英語苦手だしー。んで、この結果よー」
20分?リスニングの時間を寝てたとしても………
「20分ありゃ70点は確実じゃん。どこが難しいんだろ。覚えりゃいいのに」
「それ全国の英語が苦手な高校生を敵に回した」
「…………んー、じゃ、帰ろ。ばいばい、はるるん」
あたしは踵を返す。
志貴先輩がいない帰り道なんて、お酒がない酒屋と同じだ。
「ちょいと待ってちょーだいな」
腕を捕まれて、仕方なく彼の方を向いた。
「何」
反応冷たっ、と彼はつっこむ。
知るかよそんなの。マジで。
そんな視線を送っていたのに、彼はニコニコ笑顔。
多分、あたしのように耐性が出来たのであろう。
彼はニコニコと笑顔を絶やさず、ちょっくらアイス買ってくると言わんばかりにさらりとあり得ない発言をした。
「デートしょっか」