シークレットガール!【完】
2年生の教室が集まる校舎に入ると、少しザワリとざわめく。
そりゃ1年が文化祭準備期間に2年校舎に入るなんて、あり得ないからだ。
特別教室とかは2年の校舎にあるものがあるので、普段はよく他学年が通る。
しかし授業もなにもないのでこの時期通るあたし。
まぁ少し目立っても仕方がない。
学年によって、まず上履きの色が違う。
しかも、この学校はネクタイの色も違うのだ。
あとネクタイピンも。
そりゃ目立って当然ごめんあそばせ。
ネクタイは全体の色自体が違うのではなくて。
ネクタイの柄はチェック。そのチェックには3色オシャレに使われていて。
地味にその中の一番薄い色が違うのだ。
ネクタイピンもそれに合わせて、そこネクタイ柄に合うように、カラーが何種類か。
と。まぁ意外な北府高校制服オシャレ説を唱えていたら、もう目的地は目の前だ。
がらり、とその教室の扉を開けると、飛び込んできたのは、…………………。
…何もなかった。
教室には温かな陽射しがあたし影をつくるカーテン。
そして、机も椅子も何もない。
「………………な」
どこがオバケ屋敷の迷路が完成しつつあるの。
え、もしかして。
新感覚オバケ屋敷?
明るくて、何もない教室に入って、オバケ屋敷?
明るい中、背後から脅かすの?
…うん。つまんねーよ。
てゆーか、
騙されたーーーーーっっ!!!
「うっ、……………」
少し目眩して、壁に手をついた。
なんなの。なんなの。
ここまできて、嫌がらせ?
意外と今まででグサってくるんですけど。