シークレットガール!【完】



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「いらっしゃいませ」


「君可愛うぃーね!」


「ありがとうございます。何名様でしょうか」


「1名です。ちょっと、俺とデートしない?」


「あなたならもっといい人が見つかりますよ。では、こちらに案内させていただきます」


一人客の男を教室の中に案内していく。


商売繁盛満席。大人気御礼。


あたしのクラスの出し物はけっこーいい感じだ。


「お水です。ご注文が決まりましたら、教えてください」


「注文決まりました」


「はい。ご注文は何でしょうか」


「キ・ミ(はーと)」


「すみません。人間を販売するのは犯罪ですので、どうか人の道を踏み外さないようにしてください。…注文をあとで伺いますので、お申し付けください」


「…………………」


唖然という表情を浮かべ固まるチャラ男を背にあたしは次の客のもとへ行く。


もう最近のチャラ男というやつは。


こんな断りをするのは、14回目。


文化祭が始まり早二時間程度通過。


14回という数に驚いている。


最近のチャラ男というやつは、日本国憲法というものを知らないのか。


何事だよコノヤロー。


ユーは本当にジャパニーズか?


今日は何の日?


日本国憲法公布日だぞオバカチャンめが。


日本国憲法18条【奴隷的拘束及び苦役からの自由】

何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。


自由権の中の身体の自由だよ!それを侵害するのか!


もしそうなら裁判起こしてやるし。訴訟(そしょう)だ。勝負だ。









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