シークレットガール!【完】
「俺の視界から消えることがあるなら、連絡しろと言ったよな?」
「ごめん。忘れてたんだって」
「俺、午後の授業返上で校内ずっと探してたんだからな。もしかしてと思って玄関に行けばお前の靴はないし、…」
探してくれてたの?
なんか、悪いことした感じ?
「……………ごめん」
「…反省してんのなら、次からはちゃんとしろ」
「今回は見逃してくれるの?」
「今回は、な。次はない」
そう言うと彼はあたしの肩を掴んだ手を放してくれた。
やっぱり。優季は優しい。
優季で良かった。本当に優季でよかった。
「幼馴染みが優季で良かった」
「はぁ?お前が無理矢理そうさせたんだろ。こっちはいい迷惑だ」
「もう照れ屋さんだからー」
にやりと口角を上げて、ふと視界に入った時計。
長針は8の近くをさして、短針は10と11の間。
「優季、ごめん時間。あたしちょっくら行ってくるねー」
よく見ると、結構の人が登校してきたようで予習している人、話している人、様々なことをしていた。
あたしはスピーカーが入ったカバンを持ち、教室を出る。