シークレットガール!【完】
「ん」
これでどーだ。
ちゃんと、合ってるはず。
うーん。と、彼は手を顎に当て考えるポーズをすること暫し20秒。
「………不正解」
「ななななななはななねななんですと‼‼???」
かんぺきぺきだったはずなのに‼
わー。答え渡すとき、ドヤっちゃったよ。
鼻息荒くしちゃったよ。
あーもー、恥ずかしっ‼
ゴリラと結婚した方がマシなんですけど‼
「………………ん、どうかした?はるるん」
なんかあわれみの視線が向けられたようなしないような。
「ごめん。なんて反応すればいいか分からなかった」
「いや、いらないよ。だってどや顔して間違えるとか励ましてくれても逆効果」
「いや、そーじゃなくて、…ゴリラと結婚した方がってやつ」
「何故それを知っている」
エスパー?
いやいや、ここは人間界だよ。
となると、…
「お主、ウザいよ星から来たウザウザ星人か」
これじゃないと納得がいかない。
よくよく考えれば、はるるんがウザウザ星人かなんて一目瞭然だったはずだ。
「くそっ、…あたしとしたことがっ」
あたしは机を左手で叩いた。
「ねー、ねー、それはそうとさ、美沙ちゃん」
え。何?
さっきまでのあたしの発言スルー?
はるるんのお兄さん。
あたしの扱い雑じゃない?
え。気のせい?気のせいじゃないよね?
「これ見てちょー」
見せられたのは、さっきまであたしが解いていた2年生のテキスト。
あー、ほんとだ。
間違えてる。
なんで、5x+7y+8y=5x-1yなんだ。
どう考えても、5x+15yだろ。
最初の式がややこしくて、意外と解くと簡単にまとまって、最後だって思って油断したんだね。
油断大敵。
▼倉條美沙は経験値を得た!
「はるるんっ、これからラスボス戦かな‼」
「え。いや、うん。頭ひっぱたいていい?」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい。嘘です」