シークレットガール!【完】

砂時計




***


「美ーー沙ちゃーん」


「ほんとウザすぎしつこすぎ」


「美沙ちゃんもこんなんだったじゃーん」


「……晴。今、宿題してるから黙れ」


「志貴!?最近、裏切り行為するの多くない!?」


「黙れっつってんだろーが」


「美沙ちゃーーーーん、志貴が反抗期なんだけどーー!!!」


「はるるんの教育ミスでしょ。数学してるから邪魔、はるるん」


冬休みはもう間近。


そんな今日は、12月中旬。


町は、クリスマスにのみ出没するお祭り男であるオッサンの話題がたくさん出てきている。


1週間後は冬休み2日目である。


「……なんなのこの量。なんなのこの質」


あたしは数学のテキストと睨めっこをしていた。


冬休みの宿題は、12月に続々発表され、配られ。


冬休み前だというのに、やっている。


てゆーか、やらなきゃ終わらない。紅白見れない。お正月遊べない。


「……………高校のチョイスミス…」


なんて、思ってしまう始末である。


「何この問題、…ハゲちまえ」


「問題はハゲないよーん。どれどれー?俺が教えてあげよーかー?」


「結構です!自分で考えるし!」


とある放課後の。とある教室の。とある男子二人と女子一人の。


プチ勉強会である。




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