シークレットガール!【完】
優季と二人で、エレベーターに乗り込む。
途中、2階で天野さん(41)が乗ってきて、ただ今3人で仲良くレッツエレベーターなう。
4階にあるあたしのマイホーム。
2階からほどなくして着いた。
「久しぶりのマイホームだねぇ」
「そうだな」
ここの角を曲がれば、もう目の前にマイホームだ。
クイッククイックターン。
角をスキップで回る。
すると、今年は始まったばかりなのに今年最大であろう悲劇があたしに襲った。
「あ、美沙ちゃん」
「げ、…………」
「やだなぁ。げ、って……。ここは冗談でも晴くんと会えて嬉しいって言ってよ欲しいじゃねぇのよ」
「ウレシイウレシイ。だから、帰ってください」
「志貴ー、新年早々美沙ちゃんが冷たいよー」
「お前、お菓子持ってきてんだろ。それ渡せば、優しくなるんじゃねぇの?」
ちょいと待とうか志貴先輩。
あたしは食べ物で懐柔させる簡単なヤツだと思っていたの‼?
「あっ、そうだったねー。はい、賄賂(わいろ)ねー」
「……………………」
これって受け取っていいの?アウト?
黙ってイエスかノーか考えていると、頭に何かの重みがかかる。
「先輩方、こいつに何のようですか?」
優季は、あたしの頭を手で撫でて、やや挑発気味な質問を投げる。
優季よ。あたしは撫でたら何でもいいとか、思ってないよね‼?
志貴先輩みたく菓子やりゃ大丈夫的なこと考えてないよね‼?
優季は違うよね‼?
「橋本くーん、頭撫でるとか嫌味ー?」
「コイツ、これすると黙るから、楽なんだよ」
コイツも頭撫でときゃ大丈夫って思ってたーーーッッ!!!
「あのね!!あたしはそんな軽い女じゃないからね!!!!」
「美沙黙れ」
「あ、出た。美沙ちゃんの変人発言。志貴、ボイスレコーダーに録音した?」
「あぁ」
ちょっと待って。録音て何。
いつの間にかに志貴先輩が本物のストーカーに成り下がってるんですけど!