シークレットガール!【完】
「俺は許さないからな」
「優季に許可求めてないし。行けるか行けないか聞いてるの」
あたしは、もうちょっとなんだから。
少しくらいの我が儘、聞いてくれてもいいじゃん?
「……ダメだ。絶対に」
優季は意見を曲げない。
「お願い」
「ダメだって言ってんだろ」
「何で?」
「だって、俺は……………」
いつも、こうだ。
何で?、と聞くと優季は決まって顔をそっぽ向ける。
その瞳はいつも寂しげで、胸を締め付けるような感覚にさせる。
「理由がないなら、行く。近所迷惑だし」
「……テスト勉強は、どうすんだよ」
「もうした。結構したし、勉強。飽きた」
「……………………行けば?」
「うん。ごめん。優季」
「……別にいい。その代わり、一時間ごとに連絡はすること」
「了解です!橋本団長!」
「……………チッ。…さっさと行け。暗くなる前には戻ってこいよ」
「うふふふふ。じゃあ、行きましょう!近所迷惑ブラサーズ!」
志貴先輩とはるるんの腕を久しぶりに掴んで。
背中に優季の、笑ってごまかすな、暗くなる前に戻ってこい!という言葉。
久しぶりにこの人達と遊ぼうと思った。