シークレットガール!【完】
「騒ぐなら図書館から出てってください」
そう。彼は図書館の管理人のおじさんなのだ。
まさか声をかけられるなんて……。
声は確かに大きかった。
だから、特待生の話する前にはすでに、回りで勉強していた人は遠くに行ってしまったよ。うん。
それでも管理人さんは出てこないからもう大丈夫だと思ってた。
騒いでも大丈夫だと思ってたよ。
くそっ、……あたしとしたことが……っ。
涙をため、拳を握る。
「はいはーい、変な妄想中に悪いけどー場所移動するよー」
変な妄想とはなんだ、変な妄想とは。
ちょっと傷付くんですけど。
てゆーか、なんか発言あるごとに高確率で傷ついてる気がするんですけど。
こいつらS?やだやだやだやだ。
「先輩、あたしを殺す気ですか?」
「え。どっからその結論に至ったのー?もー俺、理解不能なんですけど。未知な生物と話してる気がするんだけどー。もう降参よー。志貴くーん」
「はぁ?俺に擦り付けんな。俺もあんなん相したくねぇよ」
ねぇ。あたし、マジで泣いていいですか‼?
もう泣いてもいいレベルだよね‼?
いじめだよね‼?
チャイルドラインに電話かけてもいいレベルだよね‼?
「ほらほら、カバン持ってちょー」
無理矢理椅子から立たされ、カバンを持たされる。
ちゃりん。ちゃりん。
鈴がなる。
それと同時に志貴先輩が顔を歪めて、そっぽを向く。
それと同時にはるるんが鈴を凝視する。
もう何なの、この人たち。
色々と顔に出しすぎ。筒抜け過ぎ。
だから、あたしなんかに踊らされるんだ。
ばーかばーか。
そう心で呟いたあたし。
けど、どこかで胸がチクッとしたような、そんな気がした。