シークレットガール!【完】
「みーちゃん、キノコ嫌いなんだー」
果奈はふふふ、と可愛く笑って見せた。
「……そーいえば、みーちゃん!」
「何?」
「先輩達から貰った?プレゼント!!」
果奈が言ってる先輩は、きっとはるるんと志貴先輩。
「あの人達、多分、知らないから」
「え?」
「誕生日って何も教えてないし。知らないと思う」
「……今から言ってくる?」
何故に。
「知っても知らなくてもどうでもいいし。果奈が祝ってくれたんだし、もう十分だよ」
「うぅ~、みーーちゃあああぁぁんっっ!!」
「ちょっ、わっ」
目の前で揺れる彼女のショートの髪。
きっと、柔らかくてフワフワだろう。
あたしを抱き締めた彼女は、もっと力を入れた。
「大好きだよおぉぉおおおー」
「うん。あたしも」
あぁ、ほんと可愛いなぁオイ。
脳内オッサンになってきた。そろそろヤバめだなぁ。
物思いに耽っていると、その雰囲気はすぐに放送によってぶち壊される。
『倉條美沙。至急保健室。以上』
そんだけ‼?全て漢字で構築されてるんですけど!
用件だけ過ぎません‼?雑すぎません‼?
「今のって、御幸先生?」
「そーだよ。あの雑さはアレ以外ないよ」
ははは、と笑い飛ばしたが、彼女の顔は何故かシリアス。
「先生まで手を出しちゃダメだよ?」
「誰が出すか」
何言ってんのこの子。
思いっきり爆弾です。手榴弾です。時限爆弾です。地雷です。