シークレットガール!【完】
「…てゆーか、はるるん。志貴先輩、トイレ長くない?大?大なの?」
踏ん張ってんの?トイレで踏ん張ってんの?
「女の子が大なんて言っちゃダーメ」
唇に彼の人差し指が置かれ、すぐさま一歩下がり、変人攻撃を回避。
「じゃあ、うん「美沙ちゃん‼?何言いかけたの‼?ほんとに女子‼?…あ、胸ないから男子って線もあり得るなー」
うむうむ。はるるんはひとりでに深く頷いた。
「美沙ちゃんスペシャルライダーキック!!」
「地味に痛い!てか、キックじゃないし!地味に足踏んできただけ…っ」
「これも立派なキックの一種です」
「わーお。変人ー」
はるるんを三枚下ろしにしてやりたい。
「あぁもう!ウザったい!志貴先輩、遅い!トイレまで迎えにいくよ!目標は踏ん張り志貴先輩!!」
「誰が踏ん張りヤローだ」
志貴先輩ですけど。
「待ってましたよ!トイレ将軍!」
「…………」
彼の冷たい視線が突き刺さる。
将軍様は、ご乱心のようです。
「はるるん、トイレ将軍の家臣でしょ?ほら、ご機嫌取りをしてきんしゃい、……いふぁい、いふぁいでしゅ!ふぉいれ将軍ッ(痛い痛いです!トイレ将軍)」
頬っぺたが、これでもかと言わんばかり横に伸ばされる。
「お前、悪いって思ってないだろ」
「てへぺろ」
「ふぁるるんヘルプ!」
頬っぺたが千切れる予感しかしない。