シークレットガール!【完】
「はいはーい、美沙ちゃん固まらないでー。さっさと頼む頼む。あとが詰まってきたよー」
「…あ、うん。じゃあ、あたしはチョコミントで」
「俺はチョコチップでー」
「…ストロベリー」
ストロベリー…。
何この人。ほんとに志貴先輩ですか。
何この甘党くん。
何この胸をくすぐるような感覚。
「…なんだよ」
「いえ、何も………」
ギャップに萌えてました、そんなことを言ったら死刑は決定的だ。
「はいはい、行くよー」
ぐいぐいと背中を押され、アイスの列から外れる。
え、まだアイス貰ってないんだけど‼お金払ってないんだけど‼
「おらクソミルクティー‼」
「何そのチンピラみたいなセリフ」
「ぁあ”?自分がしたことも分からんのかいな。わいのアイス、どう落とし前つけてくれんるんや?ぁあ”””」
チンピラじゃないヤクザのマネだ。
そこんこと間違えてほしくない。
「チンピラって、きんぴらごぼうみたいで嫌じゃん。ヤクザってさ、ヤクルトみたいで元気でそうじゃない?」
きんぴらごぼうちんぴらぴら。
ヤルクトヤクヤクザ。
「ちょっとヤクザの方は無理矢理じゃないかなー」
「……」
何このスベったみたいな感じ。
「ウザいよ星へ帰れクソヤロー」
「奢ってあげたんだから許してねー」
「え……?」
奢って、くれた……だと?