シークレットガール!【完】




「んじゃ、そーだねー。美沙ちゃんの家はどこなのー?」


ぱくり。


アイスを一口食べながら、彼の言葉に耳を傾ける。


口に広がるミントの味にある甘いチョコ。


歯ブラシ粉の味に似てる気がする………。


優季がアイスならチョコミントだろって言ってたからチョコミントにしたけど、少しハズレだ。


歯ブラシ粉食べてるみたいで嫌だ。


やっぱり、アイスというとバニラだね。


「ちょいー、美沙ちゃん聞いてる?」


ごめんね、アイスの味について語ってたよウザい星人さん。


「ごめん。何だっけ?」


「家、どこ?」


どっちの家?


実家?独り暮らしのマイホーム?



「………いや、だから家だってば。送ってくよ」


あ、独り暮らしの愛しのマイホームちゃんね。


「2駅先だから。家まではいいよ」


「んじゃ、駅までで」


「ありがとー」


何だかんだで、はるるんは優しい。


あたしの素性を調べるのは志貴先輩のためで。


何者か分からないあたしを普通ならガン飛ばしてもいいくらいなのに、送ってくなんて。


優しすぎなんだよホント。


志貴先輩も志貴先輩だ。


最初は無視とかしてきたり、途中でダッシュしてあたしの追跡から逃れたりしてたじゃないか。


なのに、なんで。


アイスを一緒に食べたりやら、勉強会とか付き合ってくれるの?


あたしを好きになってくれるのなら、確かに都合のいい話。


とっても。すごく。助かる。


けど、一緒に過ごしてると、なんか胸が苦しくなってくる。







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