シークレットガール!【完】
「送信しました」。
淡々とスマホに表示される文字に、ドキッと胸が鳴る。
よくよく考えると、来てくれないかもしれなくない‼?
いや、だって。
はるるんにおいて、最後に会った日、ほってったからね。置いてけぼりしちゃったからね。
もしも、あたしがはるるんの立場だと思うと…………。
「ラリアットして、右ストレート。アッパーに卍固め、そして、左ストレートして。財布のお金全てを使って、うまい棒を買ってもらわなきゃ許さない」
………………。
「ぁぁぁあああぁぁぁぁあああ!」
嘘でしょ‼?嘘だと言って!!!
「あ!でも!うまい棒よりダッツ先輩の方がっ!!…て、いうのはどうでもいい!お金の使い道はどうでもいいの!」
アホなの‼?アホなの‼?
アイスがいいとかまだ夏じゃないし気が早いんだよ、あたし!
去年、腹壊したじゃん!学習能力無さすぎだよ!!
「………………」
うぁぁぁあああ。どうしよう。
そもそも着信拒否にされてるパティーンもあるじゃん。
「ぅううぅうううぅうううっ」
泣けてくる。泣けてくるんだけど!!
タイムマシーン!タイムマシーンが切実に欲しい!!!
やらかしちゃったあの日にっ!………いや、戻るなら、優季のノートでコキブリを潰してしまったあの夜に戻りたい。
「ぁぁああぁああ!!もう!!」
頭を抱えながら、踞(うずくま)る。
どうしようどうしよう。
絶対来てくれないよあの人達。