シークレットガール!【完】
「……ぁぁぁあああぁぁぁぁあああ!」
どうにも収まらない発狂が続くなか、
──キーンコーンカーンコーン。
ついに3限目開始のチャイムが鳴り響いた。
「……………」
はるるんと志貴先輩達…、来なかったんですけど。
もうこのまま強行突破作戦しちゃう?
いや、でも。クラス知らない。
「……………帰るしかないのかなぁ」
あたしは呟いた。と、その時に。
「なんで、帰んだよ」
入り口の方から懐かしい低い声がして。
あの桜な彼の声がして。
「し、きせんぱい、」
声が零れた。
振り向けば、そのには桜な彼がいて、不機嫌そうに顔をしかめていた。
「何その声ーー。アホな子みたいだよーん」
ぴょっこり顔を出してきたはるるん。
相変わらず無駄に綺麗なミルクティー色の髪だ。
そんなミルクティーカラーは、あたしの姿を見たと同時に吹き出す。
「本当に転校したんだねー。似合ってない似合ってなーい」
「ナンセンスねーはるるん。あたしほど、この制服が似合うガールは居ないと思うよ。うん。ね?志貴先輩」
「鏡見てから出直してこい」
うん。その返事待ってました。そのドライな返事待ってました。
「ふふふふ」
「志貴に罵られても笑っちゃう。さすが、美沙ちゃーん」
別にドMというわけでもないけど、ただ嬉しいだけ。
またこの人達と会話が出来たということが嬉しいだけだ。
「来てくれて、ありがとう」
あたしはこの言葉が言いたくて、言いたくて、うじうじしていた。