シークレットガール!【完】



「美沙ちゃん、どうしたの?いつもと変わりなくアホそうだけど」


たった今、心に大きな擦り傷を負いましたけど‼?


なんなの、なんなの!久しぶりにナースコール押したらこの仕打ちって!


酷いわ奥さん!ねぇ奥さん‼?


心の中でエア奥さんに話しかけてツッコミを消費して、本題だけを彼女に告げる。


「鈴村さん。優季、熱みたいだから、薬とか体温計とか持ってきてくれない?」


「分かったわ」


「鈴村さん、大丈夫なんでいいですよ」


「美沙ちゃんは心配しているわ。大丈夫なのなら、その証拠を見させてあげて。この子、そうしなきゃニワトリみたいに煩いから」


「コケッ…コケコッコー‼?」


「鳴きマネ、似てるわね」


誉めてないっすね。むしろ貶してますよね。


てゆーか、いつも以上に冷たいですよね。


あ、もしかしてなんだけど。


「トイレ我慢してた感じ?ごめんね!鈴村さん!大、頑張って踏ん張ってき「呪うわよ」


ひぇぇぇえ。こっわ。


「優季ー、鈴村さんがすんごい冷たい。氷通り越して、ドライアイスだよ。ドライアイス……だと‼?気体になって消えちゃうぅぅぅううう!!!鈴村さんがッ!鈴村さんがッ!空気になっちゃう!!!優季!優季!ビニール袋を用意!!!…………いでっ」


「煩い頭に響く黙れ寝ろ」


「四連発パンチのダイレクトアタックは反則」


優季は風邪でダウンだし、鈴村さんはトイレ我慢のため冷たいし。


「ここはアルプス山脈かよって感じだよね」


「「…………………」」


美沙ちゃん、いと悲し。




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