シークレットガール!【完】
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「あ、はるるん」
校門で志貴先輩を待っているとはるるんが校舎から出てきた。
ちなみにスタンバって40分。
最長記録である。
最初の頃は、志貴先輩が嫌がっていっこうに校舎から出てこないというイジメを受けていたのだけど、最近はすぐ出てきてくれるようになってきたんだけどなぁ…。
…嫌われるようなことしたっけ?
勉強会をした木曜日。
駅前で志貴先輩たちとお別れして、金曜日は寝坊二より遅刻スレスレで登校し、下校は優季に強制的に連れて帰らされた。
そして、GW。
そして、すぐにテスト。
テストは真剣にしたかったから、志貴先輩を起こし行くのを止め、帰りは図書館で勉強してから帰った。
そして、その翌日。
今日である。
「あ、分かった。志貴先輩、あたしが会いに行ってなかったから拗ねちゃったのか」
うんうん、絶対そうだ。
納得納得。
「もう君の頭の中はお花畑だね」
「え、それ誉め言葉?ありがとー。いやーそれにしても志貴先輩は照れ屋さんですねー寂しかったら言ってくれればいいのに」
「そーだねー。もう君の頭末期じゃない?」
すいません、話が噛み合ってません。
「んで、はるるん。志貴先輩は拗ねてどこに隠れてるの?」
「今日、志貴は休み」
ん?
「パードゥン?」
「だから、志貴は休みだって言ってんのー」
「はぁあああぁ‼‼?」
志貴先輩は学校をまだ欠席したことがないのだ。(美沙ちゃんストーカー情報)
ももももももももしかしてっ、志貴先輩の訃報(ふほう)のお知らせか‼?
「原因は‼?」
「風邪」
「風邪でなくなられるなんて…。享年16年、…まだお若いのに…っ………痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い」
「勝手に志貴を殺さないのー」
「アメリカンジョークだよロバートよ」
そーそー。ジョークだっての。
ぐりぐりするなんて、酷いわ。人間的に終わってるわ。悪魔だわ。
「………美沙ちゃんの思考回路に着いていける気がしない」
「そりゃ、ショックだね」
「いや、普通の人は着いていけないよ」
デジャウ。
前にもそんなことを言われた気が………。