シークレットガール!【完】


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あー、もう何。あのバカ。


何が唐揚げ、だ。


アホだアホだろアイツ。


志貴先輩達といるときにメール送るなっての。


ん?じゃあメール見なけりゃいいじゃん?


それはしょうがない。メールは来たらすぐ読む派だからね、あたし。


あたしはスマホを再び開き20150410と入力し、ロックを解除。


滑るように手を走らせ、電話のアイコンを押す。


スマホを耳に持っていき、彼が出てくるのを待つ。


聞こえるのは無機質な電子音。


数秒してから彼は出た。


「遅い」


「………用件は」


何なのコイツ。会ったらぶっ殺す。


「唐揚げ、ヤダ」


「俺は唐揚げがいい」


ワガママか。


作るのは、あたしだっての。


唐揚げが食べたけりゃ自分で作れ。


………なんて、あたしは言える身分ではない。


「…あー、もー、わかった‼スーパー寄るから少し遅れる」


「ん」 


と返事されると同時にまた無機質な電子音に戻る。


ヤツはそういうヤツなのだ。橋本優季はそういうヤツなのだ。


電話とかメールは全部用件のみ。


しかも文で書いてあればギリ許せるが、単語のみである。


しばしば、読み違いを違いをするのは仕方ないことだろう。


そんなことを考えても埒があかないので、スマホをしまい、財布を取り出す。


今日はあるものでご飯作ろうとしてたので、あまりお金を持ってきてないし。


500円弱。


…うん。ギリいけるな。


そう思い、あたしはスーパーに足を向けたのであった。



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