シークレットガール!【完】
「お前知ってたのか?」
「んー、まぁ…」
情報は大切ですし。
「……………」
「…………………」
いつもの事ながら、彼とは会話が繋がらない。
あ、でも今回は言葉を濁したあたしが悪かったけど。
けど、この空気が嫌いなわけではない。
むしろ好きな方だ。
楽だし。
「……あー、そうだ志貴先輩。夏休みの計画立てましょう!はるるんがいない今二人で出かけるチャンスですよ!」
これは“美沙ちゃん今日志貴先輩と話したかった話題”No.1を勝ち取った話題だ。
「志貴先輩、どうしますか?」
「……どうするもなにもお前と何もしたくねぇよ」
「……ツンと来たか……」
もうマジで先輩ツンデレ。
もうマジで99.9%ツン。
ツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンツンデレ、の割合だけど。
「しょうがないですね、じゃあ遊園地行きましょっか」
「無理」
「しょうがないですね、じゃあ今度こそ志貴先輩の親に挨拶しに行きましょっか」
「やろうとしたこともねぇよ」
「……そこしかつっこまないということはお宅訪問はオーケーということで?」
「なわけないだろ」
「……けーち」
「………………」
わ、無視りやがった。
なんつーヤツなんだ。