シークレットガール!【完】
「じゃあ、どこならいいんですか?」
「……何でお前と夏休みまで会わなきゃいけねぇの?」
「それは志貴先輩が幸せになるからですよ」
「不幸にしかなってない」
「……それは気持ちの問題です」
「……………」
「夏休みは花火大会に行きましょう‼」
「…遊園地じゃねぇのかよ」
「気が変わっただけです」
遊園地ね遊園地。
絶叫系とかどう考えても体に悪過ぎじゃん。
なんで、あんな高いところから落ちたいわけ?
なんであんなにスピード早いわけ?
うん。どう考えても体に悪過ぎて吐く。
「…晴が来ていいならいい」
はるるん‼?
もしかして、あたしの恋のライバルは意外とはるるん‼?
「けけけけけけケダモノッ」
「バケモノはお前だろ」
ケダモノって言ったんだよ。
てか、バケモノってどういう意味だよ。
ガオーって、あたしが志貴先輩を襲うと思ってんのか。
おちょくってんのか。
「あ、でも。先輩のハートをゲッツするキュティーな狼にならなってもいいですよ?」
「……………」
「あ、キュティーな狼って単語が分かりにくかったですね。キュティーな狼っていうのは、毛並みが揃ったとかそーいう意味じゃなくて、例えで、そう比喩‼先輩のハートを食らっちゃうぞ☆的なっ」
「……………お前、喋るな」
何故そうなった。
ちゃんとキューティーな狼を説明したじゃないか。
てか、キューティーな狼って言葉なんか気に入った。
かっけーじゃん。
あたしにピッタリだ。
「うへへへへへ…キューティー狼・倉條美沙♡的な?うへへへへへ」
どうしよう。にやけが止まらない。
志貴先輩も志貴先輩で睨みが止まらないようだ。