シークレットガール!【完】
ごほんっ。
とわざとらしく咳払いをして、この場をの空気をもとに戻そうとする。
が、志貴先輩はあたしへ向ける睨みをやめなかった。
ブロークンマイハート。
ということにはならず、もうなんとも感じなくなってしまった。
慣れって怖いね。
もう誰の睨みも怖くないね。
「先輩、夏祭りは決定事項ということで。…さて、どこ行きますか?」
「………帰る」
「え」
「ぁあ"?」
「……………」
「……………」
何この沈黙。
あたしのせいですか。
「先輩!どこか寄りましょう!」
はるるんがいない今、こんなチャンスものにしないバカヤローはいねぇよコノヤロー‼
意地でも6時までは遊んでやるもん。
門限があるもんね。
あれ破ったら優季クンの説教2時コースだもんね。
それだけは御免だ。
ちなみに北府高校は65分授業の月曜のみ6限、それ以外は5限で。
ちなみに今日は水曜日。3時35分終了だ。
ちなみに月曜日は4時50分修了である。
まぁ、そんな北府高校事情は置いといて。
「ゲームセンター行きたいですっ」
「……」
「お願いします!」
「……………分かった」
やっぱり、志貴先輩は優しい。
何だかんだで、あたしの要望に答えてくれるもん。
そういうところ、結構好き。
「ゲームセンターだけで、飽きちゃうだろうからショッピングモールに行きましょうか」
「あぁ」
あたしはショッピングモール北府を目指して、足を進めたのであった。