シークレットガール!【完】




ぽこぽこともぐらを叩いていく。


筋肉痛になりそうだ。


しかも美沙ちゃんはガール。


スカートを履いているのだ。


スカートがめくれないように注意しなければならないのだ。


あぁもう面倒。


けど、楽しい。


だから、続ける。


あたしはぴこぴこともぐらを叩く。


いつの間にか終ったもぐら叩きには点数が表示される。


「また、あたしの勝ちです」


「チッ…もう一度や…、って時間か」


時計を見ると確かにあたしが帰る時間だった。


もっと一緒に居たかったのに。


何で門限が6時なんだろうか。


今時の女子高生は夜まで遊んでるっての。


「じゃあ、帰ります。先輩は帰りますか?」


「帰る。お前、送ってかなきゃいけねぇし」


オクッテカナキャ…?


ん?幻聴?


いつもなら、はるるんが送ってくと言ったら、誰もんな変人誘拐しねぇよ。とか言ってくる先輩が。


送ってかなきゃ、…だと?


ついにあたしは幻聴まで聞こえてきたらしい。


もう末期なのかもしれない。

 


「先輩、お葬式には来てくださいね」




「その発想がどこからなった」


「だって、先輩が送ってかなきゃなんて言った幻聴が聞こえましてね…」


ぐすん。


享年15年。短い命だった。


あたしはポケットからハンカチを取りだし、目頭を押さえる。


「幻聴じゃねぇ」


「え、」


ハンカチをどけると志貴先輩が顔を少し赤くさせていて。


きゅっと胸が締め付けられる。



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