シークレットガール!【完】
「マナミ先輩は前にはるるんと関係を持ってた。けど、はるるんは覚えてない。…そりゃ恨まれても当然」
「でも妹の話題出すのは、」
「反則だといいたいわけ?」
わたしは彼の言葉を遮って、聞く。
「…………」
「…あたしはマナミ先輩のやったことは許せないよ。けど、はるるんのやったことも許せないよ。同じぐらい許せない。だから、あたしはマナミ先輩だけ攻めるなんて出来ない」
「…………」
「先輩がやってること教えてあげよっか?」
「…………」
「そーいうの、“エコヒイキ”って言うの、……です」
なんか重い。空気重い。
あたしが重くしたけど、これヘビー過ぎんだけど!
何としてでもこの空気は打破しなくては!
「布団が吹っ飛んだ‼」
ナイス渾身のギャグ。
あたしはテレビはあんまり見ないから最近のギャグは出来んのよ。
ごめんちょんまげんこつんでれ。
あ、ごめんから3つ言葉繋げれた。
新記録だな。ごめんちょんまげんこつを越したな、これ。
ちろりと隣を見ると、ゴキブリを見るかのような目をした先輩がいて。
とにかく変顔をしろっと言われてるようだったから変顔をしておいた。
「…………」
え、お気に召さなかったの?
可笑しいなぁ優季には馬鹿ウケだったのに。
というわげで、2つ目の変顔をする。
が、あえなく撃沈。
んんん?その熱い視線は、まだやれってこと?
ごめん、あたし、あまり変顔は得意じゃないんだよ。
どちらかというとギャグ派なんだよ。
「オランダに行ったら誰もおらんだ」
「………………」
「校長先生絶好調ー」
「………………」
「アルミ缶の上にあるミカンの上にあるアルミ缶の上にあるミカンの上にあるアルミ缶の上にあるミカンの上にあるアルミ缶の上にあるミカンの上にあるアルミ缶の上にあるミカンの上にあるアルミ缶の上にあるミカンの上にあるアルミ缶の上にあるみかんの上にあるアルミ缶の上にあるミカンの上にあるアルミ缶の上のにあるアルミ缶……あ、間違えた」
どうしよう。先輩の目がブリザードになっているよ。
あたしは間違えたことをしたのでしょうか。
あ、アルミ缶の上にあるアルミ缶って言っちゃったんだ。
「ごめんなさい、次にはスラスラ言えるように練習してきます」
「………………」
無視とは酷いなオイ。