未知の世界

午前中、早川先生がやってきて、喘息の検査をした。







血液検査も、他には、心電図もやった。






レントゲンも撮って検査は終了。






午後から大部屋へ移った。






何だか心に余裕があるからか、一緒の部屋の子の様子がよく目に入った。






私と同い年くらいの男の子は、色黒で病気に見えない。







佐藤翔という名前らしい。






ベッドに書いてあった。






私の目の前のベッド。






私は、廊下側で扉の近く。入って右のベッド。






その子は入って左。






その子の隣が男の子。





私の隣が女の子。






名前はわからない。






なんて考えていると、



  



「また戻ってきたんだな。」






と、目の前のベッドの佐藤翔に話し掛けられた。


    



突然話し掛けられて、ビックリして返事ができなかった。
 





「どこか悪くなったのか?」






と言われ、なんて答えたらいいかわからないでいると、






「翔にぃ、いきなり話しかけるから、ビックリしてるじゃん。かわいそうだよ。」






と、翔くんの隣の男の子に話し掛けられた。

          




「こんにちは、私は、西川まやです。
小学5年生。お姉ちゃんは、なんていうお名前ですか?」





と、私の隣のベッドの子に話し掛けられた。








いきなり皆から話し掛けられて、慌ててしまったが、私は返事をしないのは失礼だと思い、








「鈴木かな。高校3年生。






少し怪我をしてしまって、個室になったの。」








と答えた。






こんな返事でいいかな。






すると目の前の佐藤翔が、






「俺は佐藤翔。俺も3年。よろしくな。」






「僕は斎藤智喜(さいとう ともき)。小学6年。」





と言われた。





なんだか施設にいたときみたい。






楽しい!






それに、話し掛けてもらえて、嬉しかった。






「かな姉ちゃんは、どうして入院してるの?」







と隣のまやちゃんが聞いてきた。






「うーん、私はよく自覚してないんだけど、喘息みたい。






最近分かって、、、まやちゃんは?」






と、私が尋ねると、まやちゃんは、







「私は生まれつき心臓が弱いの。手術をすれば直るんだけど、中学生になったら手術する予定なの。



今は、少し心臓が弱まってるから、入院してるの。」





心臓!?それは大変だね。







「そうなんだ。」






と答えるしかできなかった。






「僕はね、お姉ちゃんと同じ喘息なんだ。
もうずっと昔から。こうやってたまに入院しちゃうんだ。」





確かに、智喜くんは肌が色白で、もやしっこって感じ。






「翔にぃは、肋骨が折れてるんだよね?」






と智喜くんが話す。







すると翔くんが、






「あぁ、ちょっと折っちゃって、、、」






といい、恥ずかしそうにした。






きっと、ケンカでもしたのかな。






そんな感じがする。






そのあと少し話したところで、近藤さんがやってきた。






「かなちゃん、そろそろリハビリしようか?」





と言われ、私は体を起こした。







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