未知の世界
食事が終わると、さっそく佐藤先生が現れた。
「やるぞ。
毎日、三段階のレベルの問題を解いてもらう。
制限時間はそれぞれに15分。
各レベルごとに一問。その一問を解き終わったら、俺が答合わせをして、わからない問題はもう一度考えてから、それぞれ説明するからな。
レベルに合わせて解いてもらうから、もしそのレベルで解くことがやっとであれば、同じレベルの違う問題をやってもらうからな。」
と佐藤先生に言われ、私と翔くんは机に置かれたプリントを眺めた。
この問題なら、15分以内でできそうだ。
「じゃあ、それぞれ始めろ。」
と言われ、解き終わったら始めた。
なんか、こういうの好きだなぁ。
施設での勉強は、できなかったら体罰が待ってるから、皆必死だった。
皆、命懸けだった。
そんなことを考えながら、解いていたけど、すぐに終わってしまった。
チラッと、前にいる翔くんを見ると、頭を抱えてうなっている。
フフッ、きっと勉強嫌いなんだろう。
佐藤先生は、私と翔くんのベッドの間で椅子に座って何やら難しそうな本を読んでいる。
本の題名は、
「小児医療の最先端」
とかかれている。
そんな私の視線に気づいたのか、
「終わったか?見せてみろ。」
と佐藤先生に言われ、プリントを提出した。
するとすぐに、
「正解。次の問題。」
と言われ、すぐと二枚目のプリントに取りかかった。
次の問題、少し難しくなってる。
さっにのレベルのプリントに比べて、問題がひねってある。
けど、これならすぐ解けそう。
、、、、、、、、、
次の問題もなんなくクリアした。
そして最後のプリントをもらおうとしたら、佐藤先生に
「ちょっと待て、次の問題をやる前に、吸入しよう。
翔はまだ一枚も解けてないから。ちょうどいい。」
と言われ、看護師さんに持ってきてもらった吸入の機械を佐藤先生が操作して、吸入を始めた。
吸入をしながら、翔くんを見ていると、すごく眠そうだった。
時々佐藤先生が頭をこつきながら、頑張っていた。
吸入が終わり、最後の問題。
なかなか難しそう。
これは15分きっちりかかって解いた。
そして、何とかクリア!
「余裕そうだな。」
と佐藤先生に言われたけど、かなり難しかった。
私は1時間もかからず終了した。
翔くんは一向に進まないので、翌日昼間に、私が教えることになった。
私たちは久しぶりの勉強で、かなり疲れ、消灯前にカーテンを開けたままにして、寝てしまった。